いい一枚を撮ることより、いらない一枚を捨てるほうが難しい。
暗室でベタ焼きに丸と×をつける。写真は選ぶ作業で、選ぶとは捨てること。編集も同じ。
差し替え:自分で撮った一枚
ベタ焼きを広げる。三十六枚のうち、丸をつけられるのは、多くて二枚。残りには、静かに×を引く。
捨てる作業だ。
でも、この作業をしない人の写真は、どこか散らかって見える。
何が、一枚を決めるのか
迷いのなさです。
先週、ある店主を撮った。シャッターは、二百回。納品したのは、四枚。残した四枚より、消した百九十六枚のほうを、長く見ていた。どれを捨てるか。それを決めることが、写真だった。
足すより、引く
撮る側なら、枚数を増やす前に、捨てる基準を持つこと。自分で発信している側なら、載せる前に、一度、引き算をすること。
足すより、引く。写真も、言葉も。